創造とタイムリーな行動--一般社団法人日本雷保護システム工業会
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雷について 雷についての“お話し” 内部雷保護システム及び機器の雷サージ保護システム
雷電流(雷サージ)の侵入・流出経路 雷被害対策の概要
雷による被害実態:避雷設備工事費 外部雷保護システム 雷被害対策例
5.1 雷保護システム 5.2 機器の雷サージ保護システム 5.3 法規及び規格の概要
5、雷被害対策の概要
   雷被害対策とは、雷の影響に対して建物(含む人)を直撃雷から保護するシステムと建物内の電気・電子機器・設備類を雷サージから保護するシステムの両方を含む「総合的雷被害対策」を呼称します。
一般に、建物(含む人)を直撃雷から保護するシステムを「雷保護システム」と呼称し、“外部雷保護システム”と“内部雷保護システム”から構成されます。
また、建物内の電気・電子機器・設備類を雷サージから保護するシステムを、ここでは「機器の雷サージ保護システム」と呼称します。
  JLPA日本雷保護システム工業会の雷イメージ
5.1 雷保護システム
雷保護システムは、建物(含む人)を直撃雷から保護するシステムです。
外部雷保護システム
直撃雷(落雷)から被保護物(建築物等)を保護するシステムで次の要素で構成します。
@ 受雷部システム: 突針等、直撃雷を受け止めるための金属体を総称します。
A 引下げ導線 システム: 直撃雷を受け止めた受電部から大地までの雷電流の経路を総称します。
具体的には、導線及び建築物の鉄骨・鉄筋等を引下げ導線として使用します。
B 接地システム:
電流を大地に流し拡散させるための銅板、接地棒、接地線等を総称します。
建築物の鉄筋コンクリート基礎等を接地極として利用することが推奨されています。
内部雷保護システム
 落雷を受雷部に受け止め建築物を保護することができても、落雷時、引き下げ導線に流れる雷電流により建物内部の導電性部分(金属体)間に電位差が発生します。
その電位差によっては、建物内で火災や爆発を起こすような有害な火花が発生します。
これらの危険を防止する対策には、等電位ボンディングと安全離隔距離の確保があり、これを「内部雷保護システム」と呼称します。
@ 等電位ボンディング: 発生する電位差を低減するため、建物内の金属部分を導体又はサージ防護デバイスで接続することをいいます。
注)この方法は、後述の電気・電子機器・設備類の雷サージ保護システムにも非常に有効な方法となります。
A 安全離隔距離の確保: 発生した電位差でも火花放電が起きないように距離を離すか絶縁することをいいます。
5.2 機器の雷サージ保護システム
   現在の情報化社会は商業、工業のみならずあらゆる分野でコンピュータ、通信機器、制御システムなどの電気・電子機器・設備類の使用により機能しています。
これらのシステムが、落雷を受け機能を停止することは、社会的及び経済的に極めて大きな影響を及ぼします。
したがって、雷の脅威から情報化社会の安全を確保することは国際的な重要課題となっています。
電子システムの基盤である半導体機器(電子機器)は、従来の電気製品に使用されている構成部品より、雷サージ(雷による異常電圧及び異常電流)耐性が弱く雷の影響を受け破損しやすい部品で構成されています。
  直撃雷(落雷)は、高エネルギー現象で数百MJ(メガジュール)のエネルギーを放出するのに比べ、電子機器は数mJ(ミリジュール)のオーダ一のエネルギーで影響を受け、電子機器を破損する恐れが多分にあります。したがって、電子機器を含む電子システム及び電気設備等を保護するためには、雷サージの侵入経路ごとにSPDによる対策等を実施する必要があります。
注)用語 J=エネルギーの単位 1MJ≒0.28kWh  1mJ≒0.28μWh
JLPA日本雷保護システム工業会の雷イメージ
雷サージの侵入経路
  建築物内部に施設されている設備、機器を破損する雷サージの侵入経路は下記のとおりです。
1) 電力線を通じて侵入する雷サージ
2) 通信線を通じて侵入する雷サージ
3) 地中に埋設されている接地システムより侵入する雷 サージ
4) 落雷(直撃雷)したアンテナ等より侵入する雷サージ
5) 建物または避雷設備等に落雷して、建物の鉄筋、鉄骨等から誘導される雷サージ
  雷サージの侵入経路ごとに適切な対策を施し雷サージによる設備・機器の被害を防止する必要があります。例えば、電力線等の場合は建物への引込口のみならず建物内部においても適時、機器の保護に対応する等電位ボンディングを行い段階的に雷サージの侵入を阻止します。
即ち、雷保護領域(Lightning Protection Zone)の考え方を採用して、多段階に対策することが雷サージの侵入を阻止する効果的な雷被害対策となります。
 
等電位ボンディング
 建築物内部の設備、機器などの基本的な雷被害対策は、落雷や雷サージ侵入時に発生した電位差から電気・電子機器の絶縁破壊を避けるためサージ防護デバイスで等電位ボンディングを行うことです。
これは、最も効果的な雷被害対策として国際的に認知されIEC規格の基本的な考え方になっています。
 
等電位ボンディングの例示説明
中央に配置した板で二つに仕切られた水槽において、両方の水槽の水位が同じ場合には仕切板には圧力が加わりません。しかし、片方の水槽に水を追加して両水槽の水位に差が発生すると、仕切板には水位の高い方から低い方へ水による圧力が加わります(=電位差が発生)。この圧力が大きいか又は仕切板が弱い場合には、仕切板が破損してしまう(=放電して機器が破損)危険が発生します。
そこで、水槽の底部分を管で接続する(=等電位ボンディング)と、水位の高い水槽の水は低い水槽へ移動して、両水槽の水位は同一になり(=等電位化)、仕切板に加わる圧力は同一となり、破損の危険はなくなります。

 落雷時の雷電流により、建物内の金属部分や屋内配線と外部雷保護システムとの間に発生した“電位差”を低減するために、導線等を用いて接続する。即ち、片側の水槽が大雨(=落雷)により水位が上昇しても、底部で接続されている管により水位が同レベルになるようにすることを、電気的には、“等電位ボンディング”対策と呼称します。

サージ保護デバイスと等電位ボンディング
 建物内部の設備・機器は落雷時に発生する雷サージの侵入により破損され大きな被害を受けます。
電位差を発生させないためには、等電位ボンディングが有効な手段ですが常時、電気が流れている回路には相互を接続し等電位化を図ることは出来ません。なぜならば、電源や通信線に短絡や、地絡を発生させることになります。
そこで、常時は絶縁状態で、雷サージのような異常電圧の発生時に動作しサージ電流を大地に流す機能をもったサージ防護デバイス(Surge Protective Device)が必要になります。
  この、サージ防護デバイスの選定には、侵入経路ごとに発生する雷サージの大きさを想定し、被保護機器の耐電圧特性を考慮することが必要になります。
なお、サージ防護デバイスは、従来から「保安器」「アレスタ」「避雷器」などといわれている保護装置の総称です。
機器雷サージ保護システムの構築手順
 落雷時に発生する雷サージが建物内部の電気・電子機器・設備類へ侵入しないように可能な限り数段に及ぶ等電位化対策を講じて設備機器類の雷被害を防止します。(図5-1を参照)
雷保護領域と対策箇所図
@

先ず、保護対象に対応する“雷保護領域”を設定します。
雷サージの侵入を防止するために建物人口(A点)に等電位ボンディングを行います。
次に、A点で阻止できず漏洩した雷サージが内部の機器に侵入する恐れがあるので、これを阻止するため更に機器
が設置されている部屋の壁等(B点)において等電位ボンディングを行い雷サージの侵入を阻止します。
重要な電子システムの場合は、更に内部の(C点)において等電位ボンディングを行い建物内部の更なる等電位化を
もって雷被害の防止を図ります。
5.3 法規及び規格の概要 このページのトップへ
(1) 雷被害対策と規格の構成
雷被害対策と規模の構成図
(2) 雷保護システムに関連する法規及び規格
@法規:建築基準法
第33条:高さ20m以上の建築物には避雷設備を設けなければならない。
消防法 
第10条:(危険物の貯蔵、取扱いの制限) 4項:製造所、貯蔵所及び取扱所の位置、構造及び設備の技術上の基準
なお、「危険物の規制に関する政令」に避雷設備が規定されています。
A規格:JIS A4201(2003)”建築物等の雷保護“
このJIS規格は、国際規格 IEC 61024-1:1990 ,Protection structures against lightning Part1:Genelal plinciples に整合して改正された規格です。
なお、このIEC 61024-1規格は2006年1月に、IEC 62305-1“雷保護:一般原則”とIEC 62305-3”雷保護:建物の物理的損害と生命の危険”に改編されました。近い将来、JIS に適用される予定です。
 
(3) 機器雷サージ保護システムに関連する規格
JIS Z 9290-4:2009 “雷による電磁インパルスに対する保護” 第 1 部 基本的原則
  この規格は、国際規格:IEC 61312-1: 1995, Protection against lightning electromagnetic impulse ; Part 1 General principlesに整合して制定された規格です。
なお、このIEC 61312-1規格は2006年1月に、IEC 62305-1“雷保護一般原則”とIEC 62305-“雷保護建物内の電気及び電子、システム”に改編されました。近い将来、JISに適用される予定です。
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